広島市東区の牛田新町小学校で行われた特別授業を取材しました。ゲームを楽しんでいる児童たちの手元のカードには、「海洋保全」や「水力発電」など環境に関する言葉が並んでいます。実はこのゲーム、温室効果ガスの排出をさまざまな取り組みで実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を学ぶことができるものなのです。
ゲームを制作したのは広島青年会議所の金島勇気(かねしま・ゆうき)さんたち。金島さんは「2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標がありますが、そのころ、ここにいる子どもたちは元気に仕事もバリバリやっている年頃だと思う。だからこそ今から学んで行動をしていってほしい」と話します。
カードは全部で4種類。「電力の無駄遣い」や「フードロス」など二酸化炭素を出す赤色、「エコドライブ」や「節電・節水」など二酸化炭素の削減につながる緑色、企業の脱炭素の取り組みや便利カードがあります。赤いカードに書かれた数字の合計と自分の得点が同じになった人が勝ちで、勝者はニュートラルと宣言します。
二酸化炭素を増やすドラゴンを、さまざまな取り組みで減らして倒すというこのゲーム。この日は5年生の児童が挑戦し、地球温暖化が進む行為や排出量削減の取り組みを学んでいきます。参加した 児童たちは「みんなと協力できるのも楽しいし、ゲーム感覚で取り組めるようになった」や「いろんなCo2を出すものがあるが、僕は努力すればどんどん減らすことができると思う」と話していました。
2時間ほどゲームを楽しんだ後、自分でもできる二酸化炭素の削減方法を考えてもらいました。
広島青年会議所の金島さんは「地球温暖化は目の前の危機として捉えられずに、どこか遠い未来の他人事のような感じがあるかもしれませんが、このカードゲームを通じて、何かひとつでも目の前のことをやってみようと意識が変わってくれたら」と期待しています。
このカードゲームは、8月以降に広島市と府中町の小学校などに配布される予定です。ゲームを通じて脱炭素社会への関心を高める取り組み、未来を担う子どもたちが考えるきっかけになっていくのではないでしょうか。
広島ホームテレビ