(愛媛)バスの電気自動車(EV)化を目指して伊予鉄グループ(松山市)は6月28日、EV製造販売などを手がけるEVモーターズ・ジャパン(北九州市)と業務提携を結んだ。伊予鉄グループは電気バス1台を購入するとともに、1億円を出資する。
EVモーターズ・ジャパンは2019年設立で商用EVの開発、製造、販売を行う。同社によると、独自技術のモーター制御で低電力化とバッテリーの長寿命化を実現しているという。また、車体もカーボンファイバーを使うなど軽量化を図っている。来年秋には北九州市内に、テストコースや自動運転コースを併設した量産EVの最終組み立て工場を稼働させる予定だ。
伊予鉄グループは定員78人、フル充電走行距離280キロの電気大型バス(全長10・5メートル)を購入し、来年1月ごろに松山市内を通る主要路線へ投入。整備のノウハウを蓄積して、将来別のバス会社がEVを導入した際に整備業務を請け負いたいという。また、四国を中心としたバス会社にEVの販売も目指している。
伊予鉄グループの清水一郎社長は「カーボンニュートラル実現へ、バスのEV化は大きな課題。運行が始まれば、静粛性の高さや乗り心地の良さが多くの人に理解されるし、導入するバス会社も出てくるはずだ」と期待する。EVモーターズ・ジャパンの佐藤裕之社長は「地方のバス会社との提携は初めて。四国にとどまらず、日本のバスのEV化へ共に歩みたい」と話した。
朝日新聞