日立造船、世界初「ゴミ処理場CO2活用のメタネーション」実用化へ

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 日立造船は、ゴミ処理場で排出される二酸化炭素(CO2)を水素と反応させてメタンを製造するメタネーションの実証を神奈川県小田原市で報道陣に公開した。ゴミ処理場のCO2によるメタネーションは世界初という。メタンは天然ガスの主成分のため、将来は都市ガスなどの代替利用が期待される。CO2の回収効率や水素の製造コストなど実用化に向けた課題を8月までの実証で検証する。

公開された実証設備

 小田原市の「環境事業センター」内に設備を構え実証を始めた。CO2を前処理設備と回収設備を経て、水素と反応させる。水素は液化石油ガス(LPG)を改質して製造する。メタンの製造能力は毎時125ノルマル立方メートル。1年間実施した場合、1650トンのCO2を回収できる。

 ゴミ処理場は同社の主力事業。大地佐智子理事環境事業本部開発センター長は「脱炭素社会でのゴミ処理場の存在感を高めたい」と意欲を示した。

メタネーションとは
「脱炭素社会」実現のカギとなる技術

触媒を介して二酸化炭素(CO2)と水素から都市ガスの主成分であるメタンを生成する技術。メタン利用時はCO2が発生するが、生成時にCO2を使うことで排出量を相殺するため、都市ガスのカーボンニュートラル化に貢献する。都市ガス大手や資源開発大手が研究開発に取り組むが、現状はメタンの生成工程で熱が逃げてしまうエネルギーロスが発生するといった課題がある。

日刊工業新聞

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