2024年5月15日長崎総合科学大学のスマートハウス(ENEハウスと呼ばれるようです)の見学を行いましたので報告します。
<参加者>
・NPO法人島原カーボンニュートラル推進協議会から2名
・島原市役所環境課(ゼロカーボン推進室を含む)から3名
長崎総合科学大学のENEハウスは(株)谷川建設と共同建設されたもののようです。設置場所は東長崎の長崎総合科学大学シーサイドキャンパス内にあります。
シーサイドキャンパスは長崎総合科学大学付属高校の敷地内にありました。見学会の解説は長崎総合科学大学、副学長の松井教授(電子科)に案内して頂きました。
ZEHとは
家の断熱性能を高め、エネルギー効率の高い設備機器を利用して消費エネルギーを削減。さらに太陽光発電などで自らエネルギーを創り、エネルギー収支を概ねプラスマイナスゼロにする。
それがネット・ゼロ・エネルギー・ハウス「ZEH(ゼッチ)」です。
ENEハウス4つのポイント
1.エネルギーをコントロールしながら、暮らしのコストを最適化
2.電力の見える化による節電意識の向上
3.高断熱の実現
4.省エネ
ENEハウスということで、ここでは述べられていませんが、多くの最新家電は「省エネ」仕様となっており、特にエアコンや冷蔵庫などを最新の省エネ仕様品に変えるだけで相当な効果があるそうです。
蓄電池
太陽電池による発電でのENEハウスへの給電は雨の日や夜には活用できないので、太陽光発電の昼間の余剰電力を蓄電器に充電して、夜や雨などの日に活用します。写真のテスラの家庭用蓄電器は13kwなので一般の家庭だと半日程度の電力となります。ちなみにEVテスラモデル3の電池容量は54kwでV2Hで運用すると、一般家庭の2日分は余裕で賄える容量だそうです。
写真の13kwの蓄電器で100万円程度するらしいので、その何倍も容量のある電池を積んでいる電気自動車が高額になるのは仕方ないのかもしれません。
家庭用の蓄電器と太陽光発電が一般化すれば、完全な電気の地産地消が可能になるかもしれませんが、現状では導入に多額の費用がかかり、ペイしない代物なのかもしれません。今後の製品の低価格化と汎用化に期待したいと思います。
長崎総合科学大学のENEハウスは2013年施工で既に10年経過されたものですが、現在でも十分参考になる物件だと思います。太陽電池や蓄電器やEV等の装置に関心がいっていましたが、断熱材の設置や二重ガラス、断熱建材による高断熱や快適な構造もカーボンニュートラル実現には重要なのだと実感しました。
本年2024年度も一般向け『住宅・事務所・工場のカーボンニュートラル実施事例コンテスト』を予定していますので、大変参考になりました。
今回お忙しい中、ご丁寧な解説を頂きました、副学長であられる松井教授には心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。また、島原で行いますコンテストへのご提言やご指導にも快く応じて頂けるとのことで、大変心強く感じている次第でございます。長崎総合科学大学の皆様には大変お世話になります。島原市と長崎総合科学大学で行っておられる水素蓄エネプロジェクトの成功もお祈りいたします。SCN:伊東