千代田化工建設などはガス火力発電所で発生する排ガスから二酸化炭素（CO2）を分離し、回収する技術を開発する。発電の際に発生する排ガスを固体吸収材に通してCO2を回収する。従来の液体を使った方法と比べて、回収にかかるコストを抑制する。回収したCO2は化学品や燃料に再利用する「CCU」を検討し、脱炭素への取り組みを進めている。
技術開発・実証のスケジュールは2022年から30年までの9年間に下記３フェーズに分けて行われます・
①吸収材の開発および商業機向け概念設計
②吸収材製法の確立およびベンチ試験装置の建設・運転
③吸収材の量産方法の確立およびCO2利用プロセスを含む20 tCO2/d規模の実ガスパイロットプラントの建設・運転
燃焼排ガスからのCO2分離回収貯留(CCS)
地球温暖化対策として温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を火力発電所の燃焼排ガスから回収する技術開発が求められており、特にCO2発生量の多い石炭火力発電所を中心として世界各国で精力的に進められています。
この技術はCCS (Carbon dioxide Capture and Storage)と呼ばれています。 CO2を分離回収し地中や海洋に貯留するにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギーが多大では地球温暖化対策として効果的ではありません。従って、分離回収・貯留エネルギーの低減が非常に重要な技術開発課題となっています。
CO2を分離回収する方法は次の3通りがあります。
化学吸収法
物理吸収法
膜分離法燃焼排ガスはCO2濃度が低く、また圧力が低いため、「化学吸収法」が適していると言われており、千代田はこの化学吸収法に着目し、発電所全体のエネルギー効率が高いCO2分離回収装置の実用化に取り組んでいます。また、日本CCS調査株式会社に参画し、CO2の貯留に関する調査研究にも注力しています。
日本経済新聞