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出光興産、ENEOS、北海道電力の3社は20日、北海道苫小牧西部地域で国産グリーン水素のサプライチェーン構築事業を検討することで合意した。2025年までに投資を決定し、30年ごろまでに国内最大となる年間約1万トン以上のグリーン水素を製造できる水電解プラント(10万キロワット以上)を建設。豊富な再生可能エネルギーを使って製造した水素を、出光興産の製油所や地域工場などにパイプラインで供給する。
同地域の化石燃料から水素への転換需要は、工場のプロセス、発電、熱などの各利用で年間7万トンが見込まれ、建設地として有望と判断した。
同日会見した出光興産北海道製油所の鳳城延佳副所長は「この水素を使い、合成燃料製造を視野に検討する」と述べた。3社が協業する理由について、ENEOS水素事業推進部の大立目悟副部長は「水素事業は一民間企業だけでは難しい」と説明。
北海道は洋上風力など再生エネのポテンシャルが高い一方、電力需要は小規模で本州との電力融通量に制限がある。再生エネの拡大に際し、余剰電力の有効活用や再生エネ電源の出力変動に対応するための調整力確保が課題だ。このため、建設する水電解プラントを調整力として活用することで、さらなる再生エネの拡大を図るとのこと。
日刊工業新聞記事より抜粋