いすゞ、日立造船が進める合成メタンを天然ガス自動車の代替燃料に

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エンジン試験室のイメージ図

いすゞ自動車は日立造船が代表事業者を務める、環境省の実証事業「清掃工場から回収した二酸化炭素の資源化による炭素循環モデルの構築実証事業」に参画し、合成メタンを天然ガス自動車用燃料として利用する実証を通じて、その適用性を確認したことを発表した。

日立造船は、ゴミ焼却施設から排出される二酸化炭素(CO2)を用いてメタネーション反応で生産した合成メタンを、天然ガス自動車の燃料として利用できることを確認したと発表した。両社などが参加する実証実験で、合成メタンが既存の天然ガス燃料の代替となり得る結果を得た。日立造船は今後、ゴミ焼却施設設計や新規事業として注力するメタネーション事業の提案などに生かしていく。

日立造船は2022年度までに、自治体の清掃工場から出るCO2を用いて1時間当たり125ノルマル立方メートルの合成メタンを生産する実証試験を実施。

いすゞは、同委託事業において、清掃工場(神奈川県小田原市「環境事業センター」)から排出されるCO2を用いて125 Nm3/hの合成メタンを生産する実証試験を行った。実際に稼働中の清掃工場から合成メタンを製造する取り組みは、世界で初めてとなる。実証試験で得られたCO2転換率やメタン濃度などのデータを活用し、天然ガス自動車の燃料として利用する場合の排出ガス成分、エンジン出力、燃費等の考察・試験を行うとともに、清掃工場への導入モデルの検討などが行われた。

排出ガス成分、エンジン出力、燃費等の考察のための試験では、いすゞ自動車のガスエンジン「6UV1-TCN」を使用し、合成メタンを模擬したガスをエンジンに供給・稼働させることで実施された。その結果、合成メタン中のメタン濃度が約96%以上であれば、既存の国内天然ガス自動車の燃料として利用できる事が確認された。また、メタン濃度が約82%以上であれば、燃料性状が不安定な海外市場向けの車両に採用実績があるエンジン制御方法を用いる事で利用できる事が確認された。なお、メタン濃度82%は、実証試験での設計値であり、実際に生成できることが確認されているとのこと。

ニュースイッチ記事から抜粋

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