地中水素「天文学的な量」存在予測、米エネルギー省30億円の助成(天然水素続報)

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世界のエネルギーの専門家は近年、地下深くの自然なプロセスで発生する「地中水素(geologic hydrogen)」が、二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンなエネルギー源になりうるという認識を高めている。米国のエネルギー省は2月8日、この分野の取り組みを支援するために、ビル・ゲイツが支援するKoloma(コロマ)社を含む米国の民間企業や研究所、大学などに成を行なうと発表した。

エネルギー省が2007年に設立したエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)によると、政府は総額2000万ドル(約30億円)の助成金を16のチームに分配し、地中水素の採掘テクノロジーの開発を支援するという。この金額はさほど大きなものとはいえないが、この助成プログラムは、天然の水素を対象とした初めてのものという。

「全米のプロジェクトチームは、ARPA-Eからの資金提供により天然水素の生産と採掘を加速する可能性を追求する。また、この重要なエネルギー資源に対する我々の理解を変えると同時に、エネルギーのコストを下げ、我が国のエネルギーの安全保障を高めるために必要なソリューションを加速する」とARPA-Eのエブリン・ワン局長は声明で述べた。

この助成金の授与者には、国立研究所のローレンス・バークレーやローレンス・リバモア、ロスアラモスに加え、コロラド鉱山大学やマサチューセッツ工科大学、南カリフォルニア大学、テキサス大学、テキサスA&M大学が含まれる。コロマ社は、助成金を得ているわずか4社の民間企業のうちの1社で、ビル・ゲイツのブレークスルー・エナジー・ベンチャーズを含む投資家から1億ドル以上を調達し、地中水素の掘削のパイオニアを目指し、迅速な取り組みを進めている。

「天文学的な量」が地下に存在

エネルギー源としての水素は、自動車に電力を供給したり電気を作ったり、鉄鋼や化学、石油精製、アンモニア製造から排出されるCO2を削減したりすることが可能だ。しかし、水やその他の物質から水素を抽出するプロセスは、依然としてコストが高い。その一方で、地中水素は石油やガスの採掘産業が長年培ってきた技術を活用することが可能で、コストを抑えたエネルギー源となることが期待されている。

地中水素がどのように地下で生成されたかについてはさまざまな説があるが、熱と水が酸化状態の鉄と混ざり合う連続的な化学反応の副産物であるという説が有力だ。地中水素は、米国の中央部を走るミッドコンチネント・リフトなどの断層付近で多く発見され、米国地質調査所の初期推定では、非常に豊富であることが示唆されている。

ARPA-Eのプログラムディレクターでのダグ・ウィックス氏は、昨年のフォーブスの取材に、世界に埋蔵されている地中水素の量は「天文学的」な規模かもしれないと述べていた。その量は、1億5000万トンにもおよぶとウィックスは推定しているとのこと。

Yahoo!ニュース記事から抜粋

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