【SCN投稿記事のスタンス】←タッチしてご確認ください。
岩谷産業(大阪市)と相馬ガスホールディングス(HD、南相馬市)、HD子会社の相馬ガスの3社は新年度、水素と液化石油ガス(LPガス)を混ぜた混合ガスを、家庭に供給する実証事業を南相馬市で始める。二酸化炭素(CO2)の排出を抑える効果が期待される。ガスの導管など既存設備を使って混合ガスを家庭に供給する取り組みは国内初。3社は水素の混合や脱炭素に向けた技術を確立し、事業化を目指す。
相馬ガスがLPガスを供給している市の定住促進住宅80戸を対象に2025年1月にも始まる。LPガスに水素を最大10%混ぜ、既存の導管や家庭用ガス機器、メーターが正確に作動するかどうかなどを確認する。水素の比率を15~20%に増やすことも検討する。岩谷産業や相馬ガスHDによると、水素を20%の比率で混ぜた場合、CO2排出量は約3%減る見込みだという。
水素は次世代のエネルギー源として関心が高まっているが、専用導管の設置などが課題だ。実証事業は26年3月まで行われ、事業化に向けた効果や設備の安全性を検証する。水素を加えた価格上昇分については補助金を活用するため、住民の負担にはならない。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて実施される。
福島水素エネルギー研究フィールド(浪江町)で製造された水素の活用も検討しており、相馬ガスHDは「水素の地産地消を推進するとともに、実証の成果が成功モデルとなって、他地域に横展開するきっかけとしたいとのこと。
福島民友新聞記事から抜粋