トヨタ自動車は、水素をエンジンで燃焼させて走る開発中の「水素エンジン車」について市販を目指す方針を明らかにしました。走行時に二酸化炭素がほとんど出ず、脱炭素社会に向けた車として、EV=電気自動車などの電動車とは別の新たな選択肢となるかが焦点です。
トヨタ自動車は、走行時に二酸化炭素をほとんど出さない車としてエンジンで水素を燃焼させて動力にする「水素エンジン車」を開発していて、レースなどで技術面の実証を続けています。
この「水素エンジン車」についてトヨタは3日、市販を目指して研究開発をしていく方針を明らかにしました。
具体的な時期は未定だとしています。
また、今後「液体水素」を燃料として活用する研究も進めるということです。
静岡県の富士スピードウェイでは3日から自動車レースが開かれていて、豊田章男社長が「水素エンジン車」のドライバーとしてコースを駆け抜けました。
トヨタによりますと、3日のレースでは「気体の水素」を使用していますが、「液体水素」を使えば体積が800分の1になるため、車に充填(じゅうてん)できる量が増え、1度の充填で走れる距離を伸ばすことができるということです。
地で会見した豊田社長は「水素エンジン車でレースに参戦するようになってから1年がたったが、この間、トヨタのカーボンニュートラルへの取り組みが進んだ。ともに挑戦する仲間が増え、車も進化している」と述べました。
脱炭素社会に向けた車としてEV=電気自動車などの電動車とは別の新たな選択肢となるかが焦点です。
NHKニュース