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東洋エンジニアリングはこのほど、製造時に二酸化炭素(CO2)を排出しない再生可能エネルギー由来の「グリーンアンモニア」の生産に向けて、インドネシアで事業化の検討を始めると発表した。太陽光発電や地熱発電など再エネ由来の水素を既存の肥料工場で使い生産する。グリーンアンモニアの生産体制を確立し、脱炭素化を進める。
インドネシアの国営肥料会社ププック・インドネシア(PIHC)と調査を進める。東洋エンジが過去に建設した肥料工場で検証する。既存の設備を活用することで、グリーンアンモニアを製造するための初期投資が抑えられる。新設する設備も少なくてすむことから、早期の生産が実現できるとみる。
従来は化石燃料から製造した水素を使い、肥料用アンモニアを生産していた。水素を太陽光などから製造した再エネ由来の「グリーン水素」に部分的に置き換え、グリーンアンモニアを生産する。生産したグリーンアンモニアは肥料用や船舶などの燃料としての活用を検討する。東洋エンジは既存の施設で再エネ由来の水素が使えるようにプラントの改造も担う。
太陽光などの再エネは時間によって発電量の差が大きいのが課題だ。蓄電池などを活用して、変動する電力供給量への対応なども検討する。PIHC傘下の他の肥料工場にも同様の仕組みを導入し、グリーンアンモニアの生産拡大を見据える。
<参考>
アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を一切排出しない。2022年5月27日に閉幕した主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境担当閣僚の共同声明で、日本が石炭火力発電所の脱炭素化に用いる「アンモニア」を推進することが初めて文言として入った。アンモニア混焼はG7で日本が唯一進める石炭火力のフェードアウトの手法だ。これまで批判を浴びてきた日本の石炭火力をめぐる戦略が石炭火力施設でアンモニア燃焼することによる脱炭素化を目指すことが周知された。