住民整備の小水力発電が稼働(和歌山)

和歌山県那智勝浦町色川地域の住民でつくるグループ「地域循環共生圏班」は、小水力発電施設を自分たちで整備した。発電能力は決して大きくないが「第一歩を踏み出せた。これを教材にして、今後につなげたい」と話している。

口色川地区を流れる川に取り付けた取水口から直径7・5センチのパイプを140メートル延ばし、メンバーの東条雅之さん(37)方に設置した小さな水車を、高低差で生じる水勢を利用して回す仕組み。4月から稼働し、東条さん宅で電力を使用している。発電能力は150ワット時という。

渇水期を補うため、東条さん方には、1畳ほどの大きさの太陽光パネルもある。この発電能力も150ワット時。小水力や太陽光で生み出す電気専用のコンセントを設けている。

小水力と太陽光の設備費は計約90万円。環境再生保全機構(川崎市)の「地球環境基金」という助成で多くを賄えたという。

グループは2019年度に発足。以来、専門家らから自然エネルギーについて学んでいた。東条さんは「取り組みを通じ、電気の存在は当たり前ではないということを改めて学んだ」と話した。

グループの一員で、口色川地区の区長も務める外山哲也さん(64)は「電力の自給自足を目指し、何ができるのかを考えていきたい」と話す。今回のような設備を増やすことは費用面などからハードルは高いとして「もう少し規模の大きい設備を検討したい」とも語った。

<紀伊民報>

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