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経済産業省は28日、電気自動車(EV)などの充電器の設置目標を2030年までに30万口とする整備指針案を公表した。従来目標は15万で2倍に引き上げた。足元の設置数と比べると新目標は10倍となる。商業施設などへの設置を呼びかける。
指針案は事業者に充電速度や機器操作の利便性の向上も要請。パブリックコメントをふまえ、10月に新たな指針をまとめる。脱炭素の実現に向け、23年3月時点で3万基程度にとどまる充電器の導入拡大を急ぐ。
設置目標の内訳として、商業施設などの普通充電器が27万、高速道路などの急速充電器が3万と示した。近年は1基の充電器で2口以上の充電口をもつタイプが増えてきたことから、数え方を「基」から「口」に変えた。
充電時間を短くするため、急速充電器の出力の目安を新たに提示した。現在は平均40キロワットで、30年までに80キロワットへの引き上げをめざす。高速道では原則90キロワット以上とする。設備更新の際に切り替えを求める。
「プラグ・アンド・チャージ」と呼ぶ新しい充電方式の導入も促す。自動車を充電器とつなぐだけで認証や課金ができる仕組みで、米テスラが採用している。充電器に会員カードをかざしたり、スマホアプリで個人情報を認証したりする動作が不要になる。
実際の導入には充電事業者と自動車メーカーが顧客データを共有する必要がある。運用方法をまとめた指針をこれから作成する。充電事業者には充電ケーブルの軽量化も求める。
EVの充電設備には「普通充電器」と「急速充電器」の2種類があり、政府は双方を組み合わせて普及を目指している。自宅や宿泊施設には普通型を置き、滞在中に数時間から半日ほどかけて充電する。高速道路のパーキングエリアや道の駅などでは急速型を推進し、遠出の休憩時間に継ぎ足し用として使ってもらう計画とのこと。
ちなみに国内では現在、約3万の充電設備が設置済み。
日経新聞記事より抜粋