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充電器の設置が進むが必要なところに足りていない日本の現状
EVで利用しようとすると、頼りになるのが高速道路のSA/PA等に設置された急速充電器だ。しかし現状は、設置数も足りなければ出力も低く、充分と言える状況ではない。まず、設置数が少ない。そもそも急速充電器が設置されていないPAもまだ多い。「充電が足りなくなったら最寄りのSA/PAに寄ればいいや」では思わぬ冷や汗をかく。そして、急速充電器が設置されていたとしても充電口数が少ない。最も利用者数の多い海老名SA(神奈川県)でもたった3口、そのほかのところも1口が半数以上、2口あればいいほう、といった具合だ。
そして、それらの7割ほどは50kWの出力しかない。50kWだと、30分充電しても20kWhほど、つまり100-140km走行分しか充電できない。こうなるとSAを見つけるたびに充電するという笑えない状況になってしまう。
しかし充電インフラがビジネスとして成立しない以上、放っておいても充電器は増えない。経済産業省もこのような状況を改善しようと、90kWタイプの設置に力を入れており、2022年末時点で、全体の26%が90kW以上の高性能機となった(しかし90kWタイプでも2台同時に充電すると45kWずつの出力になるものがある)。
そして今年2023年は2022年の3倍以上になる175億円の予算を充電インフラ整備の補助として確保し、6口以上の急速充電器や90kW以上の急速充電器には補助金が増額された。
古くなっても交換できない!? 増えるより減っている急速充電器
しかし、電気自動車の普及を図らなければならないのに、急速充電器は増えるどころか減り続けている。特に2022年あたりから櫛の歯が抜けるようにポツポツと撤去されていく。そもそも初期型の急速充電器を作ったメーカーは耐久性の対応が薄かったのか、故障が目立つようになってきた。何とか生き残っている初期型を見るととっくに液晶パネルが白濁しており、表示される文字や数字なんかまったく読めず操作すら難しいものが目立つ。
当然の如く故障も多い。先日なんか急速充電しようとしていた場所のうち、2箇所が故障中(これはSCN:伊東のコメント)聞けば故障した旧式の急速充電器は高い確率で修理されることもなく撤去されることが多いと言う。
すでに破綻して存在しない急速充電器メーカーもあり、パーツの入手ができないこともあると聞いた。そもそもランニングコスト(電気の基本料金)だって相当な金額。加えて利用者少ないとなれば、設置している意義なし。
おそらく今後は自動車ディーラーか、高速道路のSA/PA、空港、駐車場に代表される利用者が料金を負担しているような施設を除けば、今のような安価な急速充電器の新設はかなり難しく、既設の設備も撤去されるのではないかと心配されています。
ベストカー記事から抜粋