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クボタは開発中の産業用水素エンジンを公開した。デンヨーが開発を進める「水素専焼発電機」への搭載を想定する。
現在、工事現場などで使われる可搬形発電機の動力はディーゼルエンジンが主流となっている。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を燃料に使って、発電機の脱炭素化につなげたいとのこと。
クボタが開発を進める水素エンジンは、同社製の産業用エンジンに改良を加えたもの。詳しい仕様は明らかにしないが、排気量3.8L、直列4気筒の過給機付きエンジンで、窒素酸化物(NOx)の低減を目的としたEGR(排ガス再循環)システムを備える。発電機向けのため稼働時の回転数は一定で、1500rpmまたは1800rpmの定点運転を想定する。
現在は水素エンジンの動作試験を単体で実施している段階という。デンヨーは2025年を目標に、同エンジンを搭載した発電機の試作品を開発する。
水素エンジンの発電機は水素だけを燃料とし、二酸化炭素(CO2)を排出しないのが特徴。可搬形発電機の主力である出力45kVAのディーゼルエンジン発電機をベースにした、排気量3.8Lの水素エンジンを採用する。可搬形ディーゼルエンジン発電機は工事現場やイベント会場などの電力供給で使われており、こうした用途で水素エンジン発電機への置き換えを想定しているとのこと。
カーボンニュートラル(炭素中立)に向けた国内外の動きに対応して、軽油・都市ガスなどの燃料に水素を混焼させてCO2の排出を抑える「水素混焼発電機」や、燃料電池を活用する「燃料電池式可搬形発電装置」も開発している。脱炭素への取り組みとして、上記クボタ開発の水素エンジンを使った発電機も推進するとのこと。
日経XTECH記事より抜粋