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積水化学工業とArcelorMittal（アルセロール・ミタル）は製鉄の際に排出されるCO2を回収し再利用するプロジェクトの一環として、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の委託を受け、「鉄鋼プロセスに活用するCCU技術の国際共同研究開発」(以下、本NEDO事業)を2021年より3年間の予定で実施してきた。
この度、アルセロール・ミタルのスペイン・アストゥリアス工場での実ガスを用いた試験において、研究項目の1つである「積水化学独自ケミカルルーピング技術による合成ガス製造基盤技術の開発」の最終目標「CO2転化率85％以上および水素転化率60％以上となる積水化学独自ケミカルルーピング技術の開発」に対し、目標を大幅に超えるCO2転化率90％および水素転化率75％を前倒しで達成した※１。今後、さらなる条件の最適化を行うとともに、高性能な触媒に入替え、12月までに現状よりも高い反応収率で長期試験を行う。また、並行してスケールアップ実証に向けた新規プロジェクトの検討を進めるとのこと。
製鉄におけるCO2排出量は世界のCO2排出量の7～9％を占める。中でも鉄鉱石から銑鉄を作る高炉プロセスが鉄鋼業のCO2排出量の約7割を占めており、高炉プロセスにおけるCO2排出量の削減が鉄鋼業の大きな課題となっている。同プロジェクトは、高炉ガスからCO2を分離・回収し、化学プロセスにより一酸化炭素および水素からなる合成ガスに変換した後、コークスを代替する還元剤として高炉に導入する鉄鋼プロセス （CCU炭素循環鉄鋼プロセス）により、CO2の有効利用およびCO2削減に貢献する技術を実証するとのこと。
環境ビジネス記事から抜粋