◆ 世界トップクラスの発電効率44.3%を実現、分散型エネルギーリソースの価値向上とCO2低減に貢献
◆ パッケージサイズのコンパクト化により設置性も向上、4月1日から本格販売開始
三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社(MHIET、社長:梶野 武、本社:相模原市中央区)は、高い発電効率とパッケージサイズのコンパクト化を実現した発電出力2,000kWガスコージェネレーションシステム「SGP M2000」を新たに開発しました。2,000kW級では世界最高水準の発電効率44.3%を誇る16気筒新型ガスエンジン「G16NB」をコージェネレーションシステムとしたもので、国内市場向けに4月1日から本格販売を開始するとのこと。
SGP M2000は、従来のMHIET製1,000kWガスコージェネレーションシステムと比べて発電効率が1.8ポイント向上したことで、発電に伴う排出CO2を低減できます。また、同一排気量でありながら出力向上を実現したほか、設置面積を約40%低減し、従来は大型設備の導入が難しかった都市部のビルなど、限られたスペースへの導入も可能としました。これまで、MHIET相模原工場の自家発電施設など複数箇所で合計5万時間超の運転を実施済みで、年間を通じた高いパフォーマンスと十分な信頼性を確認したとのこと。
G16NBは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラムの助成を受け、MHIET(当時、三菱重工)が開発したもので、新型高強度ピストン採用によるシリンダー内最高圧力の増大、二段過給システム採用による高ミラーサイクル化、新開発コントローラーによる気筒ごとの点火時期最適制御といった新技術を適用することで、2,000kW級ガスエンジンでは世界最高水準となる発電効率を達成しています。
省エネルギーによる環境負荷低減効果が期待できるコージェネレーションシステムは、カーボンニュートラル実現に向け一層推進するべき分散型エネルギーリソース(DER:Distributed Energy Resources)の1つとされています。再生可能エネルギーの普及などに伴う電源の多様化に対し、高い起動性を有する同システムは電力網の調整力などに貢献します。また、大規模災害などによる停電時に対応可能であることから、レジリエンスの強化という点でも市場ニーズが高まることが想定されます。
MHIETは、SGP M2000の普及を通じてDERの価値向上に貢献するとともに、適用した新技術を活用したガスエンジンにおける水素利用技術の開発などにも積極的に取り組み、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとのこと。
<SCN:伊東コメント>
一般的に、1MW(1,000kW)のメガソーラーを設置するためには、約2ヘクタールの土地へ太陽光パネルを設置する必要があります。つまりこのコンパクトなガス発電機と同じ2MW(2,000kW)を発電するためには約4ヘクタールの広さが必要であり、野球場のフェアグラウンドやサッカー競技場のフィールドが約1ヘクタール(100メートル×200メートル)のため、その4倍以上の面積になります。 狭い日本で、これだけの広さを確保する為に環境破壊問題が深刻化しているのだと思います。
MHIニュースリリースから抜粋