EV（電気自動車）のお得度調べ、軽ガソリン車にあてはめるとリッター74km相当にも

よく聞かれるのが、『EV（電気自動車）に興味がある、環境にいいというのは聞くけど、実際の走行費ってどのくらいかかるんだろう？』というものです。
環境にいいというのは当サイトの「電気自動車が普及すると発電所は足りる？　CO2は本当に減る？」という記事に記載されていますが、現在の化石燃料発電中心の電力会社からのEV給電でもCO2排出量が普通ガソリン車の４分の１になると発表されています。

我々SCNはカーボンニュートラルを目指す者ですが、今回はCO2削減ではなくエネルギー効率、つまり走行費（ガソリン車でいう燃費）がどうなっているのかをネットに転がっているデータを元に割り出してみたいと思います。

※以下、電気自動車をEVと呼びます。

さて、現実的に条件を絞って割り出してみることにします。

まず、EV車の電費（ガソリン車の燃費にあたる数値）を調べるために、ネットから実際の車に乗って走行実験したデータを探しました。

中古車検索サイトのグーネットが三菱の最新EV軽自動車「三菱eKクロスEV」での走行実験がありましたので、それを参考にします。
（温度や環境によって大きく違うので、あくまでもこの走行実験の結果ということをご了承ください。

＞＞＞グーネットのeKクロスEVの走行実験のページへリンク

さて、条件をつけてわりだしてみましょう

①【軽EV車の電費】
上図のように一般道での電費が7.20km/kWhとなっています（レポートによると日産のサクラもまったく同じだったようです）

②【軽ガソリン車の平均燃費】
さて次に日本国内の軽自動車の平均燃費を探したのですが、公式に近いデータがまったく存在しません。カタログデータとは乖離しているし、燃費のいい車種のリストとかの紹介は多くありますが、走行実験も燃費の良い車種が中心で、なかなか紹介できるものは少ないようです。それと普通車と比較して軽自動車は燃費は悪いようです。
それでGoogleの検索で「軽自動車　平均燃費」として検索した一番最初に出てくる（たぶんYahoo!知恵袋みたいな一般人からの書き込み）で、信憑性はありませんが、実際の声ということで下図の【軽自動車の平均燃費13km/ℓ】を使うことにします。（実際私の乗っている10年落ちの軽自動車の平均燃費は12km/ℓ程度なのです）

③ここ島原は九州電力管内なので九州電力の電気料金
電力料金＞120kWhまで17.46円/kWh＜300kWhまで23.6円/kWh＜それ以上24.96円/kWh
・基本料金や使用形態、様々な料金プランがありますので、一概に計算できませんので、あくまでも基本的な電力料金の
120kWhまでの【17.46円/kWh】を使って計算します。

④eKクロスEVの1kmあたりの料金は③÷①=(17.46÷7.2)=2.425円/kmとなります

④長崎県の平均ガソリン料金
２０２２年９月のレギュラー平均価格182.4円/ℓ
※あくあでも2022年９月、時点のガソリン価格です

＞＞＞県別ガソリン料金調べ

⑤軽ガソリン車の1kmあたりの料金は④÷②=(182.4÷13)-14.0円/km

つまり1kmあたりの料金はeKクロスEVが2.425円で軽ガソリン車平均が14円となり、その差はガソリン車の5.7分の１となります。

実に、EV車(eKクロスEV）をガソリン車に換算すると【リッター74km】という驚異的な燃費となります。

＜ご注意＞
何度も申し上げておりますが、給電方法も自宅以外での急速充電での料金とかで大きく異なりますし、家庭でも基本料割合をどう反映するのか？また電気料金プランでまったく単価が違いますし、そもそも自動車の実際の燃費が様々です。EVも電費に大きな差がありますので、あくまでもあるEV走行実験の数値から、ある条件下での計算をしてみたということをご了承ください。

ただ、漠然とEVは環境にもいいし、走行費も安くなるとフワフワした意見ではなく、ある条件下ではございますが計算してみて、改めてEVはとてもエネルギー効率のいい車であると実感できました。（車体価格がもう少し落ちて、電池性能がアップし、充電時間が改善されれば、爆発的に増えるのではないかと改めて実感しました。ただ走行税なども計画されているので経済性については将来的に予断はできませんが）それとカーボンニュートラルには大いに貢献するでしょう！

SCN伊東和彦