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鹿島は16日、二酸化炭素(CO2)の排出量よりも削減効果の方が大きいコンクリートを土木現場に適用したと発表した。鹿島が開発したCO2を固定するコンクリート「スイコム」と、デンカや竹中工務店などと共同開発した技術を組み合わせて、トンネルの壁の一部に適用した。土木現場で本格的に使うのは国内初という。
施工したのは、国土交通省が発注した高知県日高村での放水路トンネルの工事で、管理用通路の一区画の壁に生コンクリートを流し込む型枠として116枚使った。通常の型枠だと1立方メートル当たり615キログラムのCO2を排出する。今回は製鉄高炉で生じる副産物を使うだけでなく、特殊な混和材や炭酸カルシウムを混ぜることでコンクリート内にCO2を固定しやすくした。同677キログラム固定でき、排出量を上回った。従来のスイコムよりも同44キログラム増えた。
鹿島は1月から、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業として計55団体のコンソーシアムで脱炭素技術の共同研究をしている。今回はコンソーシアムの技術開発として初の現場適用となる。
日本経済新聞社<抜粋>