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矢野経済研究所は2022年10月19日、人工光合成の世界市場調査を実施し、研究開発動向や実用に向けた課題、ソーラー水素の世界市場規模などを公表した。水素の需要は今後世界的に拡大すると見込まれており、ソーラー水素の世界市場規模は、2040年に6億6600万円、2050年には95億400万円にまで拡大すると予測する。
水と二酸化炭素から水素や有機化合物を生成する人工光合成は、社会実装が視野に入ってきており、特に光触媒で世界有数の研究成果を有する日本において、実用化検証などが活発化してきている。新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトにおいて、数年以内に実用レベルの太陽光エネルギー変換効率5%の達成を目指す取り組みや、大規模設備によるソーラー水素製造プロセスの開発などの取り組みなどが行われている。
しかし、人工光合成に関する学術論文数においては中国がトップシェアで、グラファイト状窒化炭素系光触媒やペロブスカイト量子ドット光触媒、グラフェンナノシート関連の論文の被引用数が多くなっている。
日本では2030年ごろに、ソーラー水素(水分解により生成される水素)のヘクタール級実証プラントが世界で初めて稼働する見通しだ。2035年ごろには、海外でソーラー水素製造プラントが本格稼働すると予測している。
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