小水力発電

■小水力発電とは・・・?
「小水力発電」について厳密な定義はありませんが、出力10,000kW~30,000kW以下を「中小水力発電」と呼ぶことが多く、また「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」の対象のように出力1,000kW以下の比較的小規模な発電設備を総称して「小水力発電」と呼ぶこともあります。一般的には、下表に示すような出力区分があり、1kW未満のきわめて小規模な発電を、「ピコ水力」として細分化することもあります。

ピコ水力発電

■小水力発電のしくみ
 一般的な水力発電は、発電所から比較的遠方にダムを建設して、その間の水位差による水圧と、流速で水車(タービン)を回転して発電します。小水力発電も水の流れで水車を回して発電する原理は同じですが、ダムのような大規模構造物を必要としない(構造物を作る場合でも規模は小さい)点が異なります。
 ダムを用いないで落差を確保する必要があるため、小水力発電開発にあたっては、以下のような構造が用いられています。

■小水力発電の意義
小水力発電を推進する意義は、以下に示すとおりです。

設備利用率を高く設計することが多く、70%程度で、経済的に有利です。
出力変動が少ないので、系統の安定や電力品質への悪影響を小さくできます。
事前調査や土木工事が比較的簡単で、必要な機器設備や工法の規格化・量産化が進めば経済性が良くなると期待されています。