【SCN投稿記事のスタンス】←タッチしてご確認ください。
2023年3月、EUは2035年以降もエンジン車容認し e-fuel(合成燃料)に限定して認めることを発表しました。現状はe-fuelだけとしていますが、2035年までには製造コストが極端に高いe-fuelだけではなく、必ず植物由来のバイオエタノール(バイオマス燃料)も許可されるのではないかと予測しています。ひるがえって日本を見ると、昨年の7月には下記民間7者でバイオエタノール燃料(バイオマス燃料)製造の研究団体がスタートしていました。ただ、バイオマス燃料も光合成以外では植物自体もCO2を排出することを忘れてはいけません。いずれにしろバイオマス燃料は植物から生成する燃料なので、生態系に大きな負荷をかけてしまいます。ぜひ技術革新で、他の道が開かれることを祈ります。(SCN:伊東)
ENEOS株式会社(以下、ENEOS)、スズキ株式会社(以下、スズキ)、株式会社SUBARU(以下、SUBARU)、ダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)、豊田通商株式会社(以下、豊田通商)の6社は、燃料を「つくる」プロセスでの効率化を研究するため、「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」を2022年7月に設立しました。
カーボンニュートラルの実現には、多種多様な地域・お客様のニーズに対応するため、多様なエネルギーの選択肢を提供することが重要となります。再生可能エネルギー由来の電力を基にした水素や合成燃料、植物の光合成によりCO2を削減できるバイオエタノール燃料も有力な選択肢であり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)においてもその有効性が確認されています。しかし、いずれの燃料においても、原料調達だけでなく製造工程におけるCO2排出量の低減や社会実装に向けた課題を明らかにし、その解決方法を探索することが不可欠となっています。
本研究組合では、カーボンニュートラル社会実現のため、バイオマスの利用、生産時の水素・酸素・CO2を最適に循環させて効率的に自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究を進めます。具体的な研究領域は下記の通りです。
①エタノールの効率的な生産システムの研究
食料と競合しない第2世代バイオエタノール燃料の製造技術の向上を目指し、生産設備を実際に設計・設置・運転し、生産面での課題を明らかにし、解決方法を研究するとともに、生産システムの効率改善を検討します。
②副生酸素とCO2の回収・活用の研究
水素製造時に副生成物として発生する高濃度酸素、および、バイオエタノール燃料製造時に発生するCO2の活用方法について研究します。
③燃料活用を含めたシステム全体の効率的な運用方法の研究
①で得られたバイオエタノール燃料を自動車等に使用した際の課題を明らかにし、解決方法について研究します。また、原料栽培の生産量から製造される燃料量までを予測可能とするモデル式を検討します。
④効率的な原料作物栽培方法の研究
バイオエタノール燃料の原料確保のために、収穫量の最大化と作物の成分の最適化を目指し、最適な栽培方法を提案するシステムを開発します。土壌の成分調査などを通じて、収穫量の予測精度の向上を目指します
Response記事より抜粋